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開園30周年 水戸市植物公園

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茨城県水戸市 クリエイティブ・コモンズ

■植物公園花ものがたり 第九話 クコ
水戸 養命酒薬用ハーブ園の薬草たちは、冬の訪れとともに地上部が枯れ、休眠に入りました。そんな寂しい園に、キラッと光る赤い実がなっています。ナス科クコ属のクコです。原産地は東アジアで、北海道を除く全国各地に生えている低木です。「近所の川原で見つけたよ」そんな声が聞こえてきそうなほど身近にある薬木です。
中国の古書によると、ミカン科の枸カラタチのようなトゲがあり、ヤナギ科の杞(コリヤナギ)のように枝がしなやかだから「枸杞(クコ 」の名前になったとか。12月でも小さな薄紫色の花が咲き、同時に直径1cmほどの楕(だ)円形の赤い果実がなります。乾燥した果実を生薬名で枸杞子(クコシ)といい、漢方薬に利用されます。
徳川光圀公の命で発行した家庭の医学書「救民妙薬」に、枸杞子一升と酒二升で作るクコ酒が登場します。精神状態が不安定で物を怖がって、独りで眠ることができないなどの肝労という症状に効果があると紹介されています。
また、光圀公に関する逸話などを集めた「桃源遺事」には、江戸の藩邸に薬室を設け、丹薬・散薬・丸薬・諸薬酒・諸薬油など、いろいろな薬を毎日作らせていた記載があります。クコ酒も作っていたかもしれませんね。
栽培のポイントは、日当りが良く、やや湿った場所に植えることです。丈夫で成長が早く、横に茎が伸びて株が大きくなり、庭を覆うほどになるのでご注意を。
春から秋はクコフシダニが寄生し、葉の一部などが異常成長する虫のコブができやすくなります。枯れるなどの悪影響はありませんが、見た目が悪いので、早めに患部を摘取るようにします。
4~5月に新芽が吹いてきたら、摘取って軽く茹(ゆ)でればおひたしに、夏から秋は葉を摘んで乾燥させれば、香り豊かなクコ茶が楽しめます。晩秋は、果実を採集し水洗いしてから、日干しして保存します。杏仁豆腐に入れるなど、薬膳料理に利用したいですね。すぐに試したい方は、中華食材売り場でドライフルーツとして販売されていますので、ご利用ください。
市内にある中川学園調理技術専門学校では、生徒たちによるクコなどのハーブを使ったレシピコンクールを行いました。学園祭で、一部のレシピは試食できる予定です。ぜひ、ご来場ください。
(水戸市植物公園園長 西川 綾子)

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