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特集 隠れたSOS、気づいていますか―DVについて考える―2

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茨城県水戸市 クリエイティブ・コモンズ

●私が体験して気づいたこと
DV被害に遭った方に、体験して気づいたことや思いを聞きました。
※プライバシー保護のため一部内容を変更しています。

□自分が被害者だと気づかなかった
Aさんは、「殴られることもなかったし、ケガをしたこともなかったので、暴力を受けているという意識はありませんでした」と話します。
ある日、Aさんは仕事の関係者との食事会に参加。そのときの写真を夫に見せると、突然、不機嫌になり、「こんなに楽しそうにしているなんて、浮気でもしているの」と言われました。日頃から、「男がいる食事会には参加しないで」と言われていたAさん。「友人とも会わないようにしていたのに、仕事の付き合いでも人に会わせてもらえないなんて」。このとき、二人の関係性に少し違和感を覚えたといいます。
また、話合いが必要な場面になると、いつも自分の意見を言わせてもらえず、長時間にわたる説教を受けていました。「自分の妻として恥ずかしくない人間にするために、厳しく教育する」―。説教が終わると「愛しているから言っているんだよ」とやさしくなりました。
恐怖を感じても、その姿を見て「怒ると怖いけど、普段はやさしいし根はいい人」「自分がしっかりしていないから」と、考えていました。しかし、だんだん厳しくなる束縛や説教がつらいと感じるように。体調を崩してしまったとき、「大丈夫か」と聞かれ返事をしたものの、「返事が聞こえない。大丈夫か聞いてやってるんだから、救急車を呼んでほしいとか大丈夫とかはっきり言え」と怒鳴られたこともありました。
その状況を友人に話すと、「それはDVじゃないか」と言われました。自分自身でも調べて、身体的な暴力だけが暴力ではないことを知ったのです。
「夫婦は困難を一緒に乗越えていくものだから、これくらい我慢しなきゃ、と思っていました。でも、夫をできるだけ怒らせないように、自分だけが意思を抑えて頑張っている状況だと気づいたんです。まさか自分がDV被害に遭うとは思いませんでした。同じように感じている人はたくさんいると思います」とAさんは話します。
「離れて暮らす決断をして、自分らしい生活をおくれるようになりました。でも、今も男性の大きな声に敏感になるし、当時を思い出して眠れないこともある」とAさん。時折、女性相談員に相談して、心の調子を整えながら生活しています。

□つらいのは自分だけでなかった
Bさんが最初に暴力を受けたのは、結婚して2年くらいの、妊娠していた頃でした。
男性の友人が家に来たという話を夫にしたところ、「自分のいないときに家に男を入れるなんてとんでもない」と急に怒り出し、Bさんを殴りました。「その男性は夫と共通の友人だったので、家に入れるのに許可がいるという考えは思い浮かばなかったんです。私はとっさにお腹の子を守ろうとしました。その姿を見てさすがに悪いことをしたと思ったのか、暴力は一旦収まりました」。
その日から、「友人と会う」と話すと「自分も行く」と、どこへ行くにも一緒でした。「周りからは、妊娠中の体を気遣って一緒に来てくれるやさしい人と見られていましたが、実際は、言動をチェックされているような感じでした」。当時、家の電話も出るなと言われていたといいます。
「子どもが生まれてからも、誰にも相談できないまま、地雷を踏むような緊張と暴力の日々でした。幸せになろうと結婚したのに、こんな目に遭うほど私は悪いことしたかなって。でも、相手を選んだのは自分だから、やっぱり自分が耐え抜かなくてはと思っていました」。
暴力がエスカレートし、「死にたいなら死んでみろ」と夫に言われたBさん。「本当に自殺してやろうと思いました。でも、ふと、子どもの顔が目に浮かんだのです。ああ、この子を置いて、私は死ねない。そう思い、生きることを決めました」。その後、知人から紹介された弁護士に相談し、離婚。ただ、それで終わりではありませんでした。離婚後、子どもが面会時に暴力を振るわれていたということが、子どもの友だちの親から聞いて発覚。「子どもは、私に心配をかけたくなくて黙っていたと言いました。自分だけが耐えればいいと思っていましたが、つらい思いをしているのは自分だけではなかったと気づきました」。暴力のことを親に打ち明けられず、思い悩んでいた時期は、先生や友だちが子どものことを支えてくれていたといいます。
現在、Bさんは自立して働いています。「自分一人ではここまで人生を取り戻せなかった。今の生活があるのは、周りのサポートがあったから。多くの人が暴力への関心と知識を持つことで、救える被害者は増えるのではないでしょうか」―。

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