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明治維新、その先へ

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茨城県水戸市 クリエイティブ・コモンズ

水戸が〝天下の魁〟と呼ばれたのには理由がある ~過去を振り返り、未来を考える~

■其の七 水戸藩の本草家・佐藤中陵(ちゅうりょう)と薬草

江戸時代、博物学ともいうべき、自然界の産物を研究する「本草学(ほんぞうがく)」という学問がありました。その中でも植物の分野は、医学や薬学に大きく貢献しました。本草学を研究する学者は、「本草家」と呼ばれ、佐藤中陵(ちゅうりょう)(1762〜1848)は江戸で人気の本草家でした。

中陵は、寛政11(1799)年から水戸藩に仕え、徳川斉昭が第9代藩主に就任した翌年の天保元(1830)年、江戸彰考館で動植物、鉱物の効用などについてまとめた『山海庶品(せんがいしょぼん)』の編纂(へんさん)を始めました。同書は、千巻にも及ぶものだったといわれていますが、残念ながら幕末の抗争の中でそのほとんどが焼けてしまい、現存しているのはわずかです。中陵がこのような大作を成し遂げられたのは、薬用効果がある物の正しい知識を広めることが、庶民の安定した生活、さらには国の繁栄にもつながるという信念を持っていたからではないでしょうか。

天保12(1841)年に徳川斉昭が創設した藩校「弘道館」には、藩内の医学や医療を向上させるために「医学館」も設けられ、薬草の栽培のほか、薬の製造も行われていました。中陵はこの医学館が開設されると、82歳で教授となり、藩医の養成にあたりました。

北は出羽(山形県・秋田県)から南は薩摩(鹿児島県)まで、57か国でさまざまな物産の調査を行った中陵。各地の風俗や文化にも精通しており、その知識を『中陵漫録』にまとめています。同書にはカタクリ(ユリ科カタクリ属)の鱗茎(りんけい)で片栗粉を作る方法や、ホソバオケラ(キク科オケラ属)の根茎を焼いていぶし、虫除けを行う方法など、薬草を使った興味深い話も掲載されています。

これらのようなエピソードで登場する薬草たちを、10月6日(土)まで植物公園内の「水戸 養命酒薬用ハーブ園」で展示しています。皆さんも江戸時代の知恵と工夫を見直してみませんか。

問合せ:植物公園(【電話】243・9311)ま たは政策企画課(【電話】350・1580)

◆弘道館での催し
(1)〔企画展〕佐藤中陵の『山海庶品(せんがいしょぼん)』とボタニカルアート
佐藤中陵が編纂した『山海庶品』の植物画と、植物公園ボタニカルアート同好会が描いた薬草の植物画約50点を展示します。
また、庭園内には薬草(植物公園提供)も展示します。
期間:10月7日(日)~20日(土)
時間:
9月30日(日)まで…9:00~17:00
10月1日(月)から…9:00~16:30

(2)江戸時代、医学の最先端は水戸にあり!~医学館と本草家~
日時:10月21日(日)、13:30から
講師:山田順子(時代考証家)、小圷のり子(弘道館主任研究員)、西川綾子(市植物公園園長)
定員:80名(定員になり次第締切り)
料金:無料(入館料別途)
申込み:10月4日(木)から受付けますので、電話で、植物公園(【電話】243-9311)へ

場所:弘道館(三の丸1)
入館料:大人200円、小・中学生100円
問合せ:(1)については弘道館事務所(【電話】231-4725)、(2)については植物公園

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