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広報みと 平成30年3月1日号

植物公園 花ものがたり

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茨城県水戸市 クリエイティブ・コモンズ

■最終話「キハダ」
一昨年の秋、どんなハーブ園を造ろうか迷っていたとき、当園を訪れた著名な造園家の方が、薬草園の端にある8mほどの樹木を指差し「あの木をシンボルツリーにするといいよ」とアドバイスしてくれました。その木こそ、薬木で有名なキハダ。
日本、中国北部、朝鮮半島などに分布する、ミカン科キハダ属の雌雄異株(しゅ)の落葉高木です。葉はアゲハ、カラスアゲハなどのチョウの幼虫の食草になります。樹皮をはぐと、内側の皮は鮮やかな黄色です。そのため、和名は黄肌(きはだ)、生薬名は黄柏(おうばく)といい、胃を丈夫にしたり、炎症を鎮めたりする作用を持つ、ベルベリンという成分を含んでいます。樹皮を煎じ煮詰めたエキスは、大変苦みの強い薬となり、不意の腹痛や下痢に最適とされ、昔は旅に出るときの懐中薬や家庭の常備薬でした。奈良県吉野の大峰山の山伏が常備した薬としても知られ、「陀羅尼助丸(だらにすけがん)」などの名前で、今も市販されています。
当園の薬草札の監修をお願いしている指田豊氏(東京薬科大学名誉教授)に「江戸時代の最も優れた薬木といったら何ですか」と質問したところ答えはキハダでした。江戸時代ナンバーワンの薬木が当園のシンボルツリーなんて誇らしいですね。
このシンボルツリーに、ハーブ園を守ってくれるようにとの思いを込め、周囲にデッキを設けました。初夏のある日、ハーブの手入れを終えてデッキに腰かけて見上げると、青空を背景に緑の葉が風にそよぎ、キハダが囁(ささや)きかけてくるようで幸せな気分になれました。さらにこの時期は、頭上から未熟なキハダの
果実がバラバラと音を立てデッキ上に落ちてきます。小さな緑の果実を指でつぶすと、ミカンの皮のような香りが広がります。これもキハダからのすてきな贈り物なのでしょう。
キハダが芽吹いてくるのは4月以降。5月には、小さな緑色の花が咲きます。初夏になったらデッキに腰かけて、ぜひキハダを下から見上げてください。疲れた心も癒されますよ。
本連載は今号で終了します。ご愛読いただきありがとうございました。
水戸市植物公園園長 西川綾子

■喫茶フィオレンテ春の薬膳メニュー
園内の喫茶フィオレンテでは、「春の香り薬膳」の提供を始めます。胃腸の働きが活発になるといわれている、たけのこやレモンなどを使ったメニューをお楽しみください。
料理には、レモングラスとレモンバームのハーブティー、季節のハーブサラダ、柑橘(かんきつ)と甘酒のデザートが付きます。
期間:3月3日~5月27日の土・日曜日(1日各30食限定)
料金:各1,200円(税込、入園料別途)
□春のたけのこ薬膳カレー
たけのこや玉ねぎ、スナップエンドウなど、春の食材を使用した、ピリッとスパイスの効いた薬膳カレーです
□レモンチキン~スプリングタイムの香りで~
ジューシーな鶏肉をレモンとタイムでマリネし、こんがりと焼き上げました。タイムのさわやかな香りが、春の訪れを感じさせてくれます

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